「本質力」についての私の理解と考え方(4)

★以下、
「本質力」についての私の理解と考え方(3)
の続きです。

さて、ここまで私の「空手修行」にまつわる個人的
なお話を続けさせていただいていますが、これは
単なる思い出話の披露ではありません。

2つの異なるスタイルの空手の思考法・鍛錬法を
例にあげながら、後ほど

「具体力を追う生き方」

「本質力を追う生き方」

の比較に繋げていきたい、というのがここでの私
の目論見で、お読みくださっている皆さんに抽象
的な概念をできるだけ具体的なイメージをもって
ご理解いただくため、あえてかなり詳細なところ
までを含めてお話させていただいています。

空手や武道にご興味のない方もおられることと
思いますが、それを通してお伝えしようとしている
概念は全ての皆さんの人生に深く関わる重要概念
ですので、もう少々お付き合いをいただけますと
幸いです。

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こうして「武道派伝統空手」の考え方と方法論に
沿って自身の鍛錬を重ねてきた私ですが、その後
あるきっかけから、もう一方の「競技派伝統空手」
の土俵に乗って自身の実力を図る機会を得ること
となります。

大学の卒業を間近に控えたある日、私は稽古中の
不注意で顔に強い打撃を受け、大怪我を負って
しまいました。全身麻酔で3時間半の手術を受け、
2週間ほどの入院生活を送る重症でしたが、幸い
なことに日常生活に大きな支障をきたすほどの
障害が残ることはありませんでした。

ただ、この負傷により、ひとつの夢を断念すること
となります。

それは、

「武道派伝統空手の全国大会で活躍する」

という夢です。

私の怪我は何とか日常生活に支障をきたさない
ところまで回復させることができましたが、打撃を
受けた顔面が元通りの強度になったわけではあり
ません。
その状態で当たりの激しい武道派伝統空手の大会
に出場をすれば高い確率で再度打撃を受け、再手
術ということも十分に考えられます。

それでも当初は夢を断ち切れず、怪我の再発への
不安を潜在的に抱えながらも稽古を続けていました
が、道場で激しい組手稽古を行っている私を見て、
道場の3つ年長の先輩(前述した支部長のご子息)
が次のようなアドバイスをされました。

「これから、組手の稽古の時は必ず、顔にプロテク
ターを付けてやるんだ。」

「人生は空手だけじゃない。仕事もあるし、これから
家庭をもつこともあるだろう。」

「試合に出るのであれば、●●●(競技派伝統空手
の団体名)の、プロテクターを付ける試合にだけ
出れば良いじゃないか・・・」

スポーツとしての安全性への配慮が徹底している
競技派伝統空手では、顔への直接打撃を避けるため、
プロテクターを着用する試合も多く行われています。

そうした大会に絞って試合に出場し、怪我の心配を
せずに思い切り戦うことをこの先輩はアドバイスされ、
私はそのアドバイスをありがたく受け入れることと
しました。

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そして出場したのが1994年に行われた

「第28回東日本実業団空手道選手権大会」。

私は、120名の選手が出場する

「男子65㎏級組手の部」

に出場し、初出場ながら3位に入賞することができ
ました。

この大会には、ナショナルチームのメンバーや強豪
大学のOBなど、競技派伝統空手のトップ選手が
多く出場していました。

私が準決勝で戦った選手は世界大会での優勝経験
もある「レジェンド選手」でしたし、私が勝ち抜いた
コートでエントリーした約30名の選手の中にも、
強豪大学OBなどの有力選手が多く含まれていた
ようでした。

こうした選手は前述したように、高校時代から試合
に即した練習を大量にこなし、空手選手としての
推薦で強豪大学に入学し、その後また4年間空手
に取り組みます。そして人によっては更に社会人に
なっても空手の練習時間を十分確保できるよう、
実業団空手の強豪企業に就職し、働きながら空手
を続けます。

そうした選手の中にあって、高校時代は週3回、
大学時代は週5~6日稽古をしていたものの時間
は1日1時間半~2時間程度。社会人になってから
は良くて週2回程度の稽古量の私が勝ち上がって
いったのです。

また、試合後の実感として、準決勝で私が敗れた
相手(私はこの選手を大変尊敬しています)を含め、
戦った全ての相手に対して、自分の”地力の強さ”に、
少なくとも引け目を感じることは全くなかったのを、
今でもはっきりと覚えています。

それはまた、高校1年生の時に道場の先生から
言われた

「あとからグーンと伸びる」

という教えが正しかったことを、身をもって確認
できた出来事でもありました。

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●結果を求めるのではなく、
本質的な実力(地力)を求める

●そのために、「基本」を何よりも大切にする

武道空手の修行から学んだこうした考え方は、
社会人になる頃には私の中で、確固とした「人生観
の柱」となっていました。

企業研修やコーチングなどの分野で最近よく使われ
る言葉を使って表現するならば、

「強力なマインドセットを手に入れた」

という言い方になるかもしれません。

そして、社会人になった私は、空手を通して学んだ
このマインドセットを、子どもの教育の分野で生かす
ことができないか?
と考えるようになりました。

(第4回 了)

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